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「山ちゃん先生、すごーい!」
「はっはっは、まだまだアプリになんぞ負けないよ!」
生徒達に褒められて上機嫌な先生。最近はスマホのカメラで撮るだけで、何の生き物かを判別してくれる便利なアプリがあるが、ここは先生に軍配が上がりそうだ。
「先生、貴重な知識をどうもありがとうございました」
今日も深々とお辞儀をするレイネ。他の人が見たら謝っているのかと誤解されそうだ。
「何の何の、こんなの序の口さ。じゃあ、この後も生き物の観察を楽しんでくれ。また気になった物があったら遠慮無く持ってきてくれていいよ」
「ありがとうございましたー」
先生と別れてからも、しばらくの間波打ち際での採集は続いた。
千佳ちゃんは貝殻集めに夢中で、形や色が気に入った物を次々とビニール袋に詰めた。小さなカニを見つけた時は、かわいいから連れて帰りたがっていたけれど、入れ物が無かった事もあり諦めた。
そこから更に歩いた先では、こんな事もあった。
「見て、あれ。イカが落ちてる!」
1匹のイカが陸に打ち上げられていた。
「……モンゴウイカね」
「力尽きて浜辺に運ばれてきたんだね、かわいそうに……」
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