浜辺の決斗?

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浜辺の決斗?

茉莉子ちゃんに会うのはいつぶりだろうか。最後に会ったのは4月の連休前だから、約2週間ぶりかな。ベージュ系のロングヘアは、休み明けにはもっと明るさが増し、日差しを受けていっそう眩しく輝いていた。 背は私より少し低いくらいでスタイルが良く、気の強さを感じさせるはっきりとした顔立ちの美人で、小学生の頃から男の子人気が高い。 派手好きでおしゃれな彼女は、今日のファッションも攻めている。グレーのオフショルダーで丈の短いおなかの出る洋服とタイトなジーンズに身を包み、周囲に見せつけるかのように堂々と砂浜を闊歩していた。 茉莉子ちゃんと一緒に歩いていた友達4人も、ショート丈の上下だったりキャップにサングラスを上手に掛けこなしたりと一様におしゃれで、いかにも茉莉子ちゃんと気が合いそうな面々だ。その姿はPOPなガールズユニットのようだった。 「奴がサービスエリアで、バスの窓から私を睨んでいたのだ」 「そうなの!?」 レイネによれば、サービスエリアで先に出発したバスの窓から睨んでいたのは茉莉子ちゃんだったらしい。 「あ、たぶんそれ私だ。私の事を目で殺そうとしてたんだよ」 「そなたを?」 「うん。だからそんな気にしないで大丈夫だよ」 私が知る限り、彼女と茉莉子ちゃんとの接点は今まで無かったはずだ。クラスどころか、体育も芸術科目も部活も別なので知り合いになる方が難しい。おそらく、私の事を睨もうとした時に、隣にいた彼女と目が合ってしまったのだろう。 「そうか。まあ、今日は親睦を深める日だ。和やかに行かねばならぬな」
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