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倒れまいと茉莉子ちゃんが懸命に伸ばした両腕は、フォローに入った私とレイネの肩をつかんだが、バタつく足元はなかなか砂地にグリップしない。後ろにズレてゆく重心をどうにか前に戻そうともがけばもがくほど、手足はカナヅチの人みたいに大きく振れてしまい、
「痛っ! ぶたれたっ!」
「おいっ、暴れるな……!」
「うっさい、どいてよ!」
不可抗力ながら私の顔をビンタしつつ、救いの手を差し伸べたレイネにも悪態をつき、
「うわぁ――!!」
とうとう私達までバランスを崩し、4人仲良く(?)砂の上にダイブする事になった。
「茉莉子、しっかりせえ!」
「みんな、大丈夫!?」
そばにいた茉莉子ちゃんの友達はもちろん、カメラマン役の森田さんまで私達を心配して駆け寄って来てくれた。大丈夫、アスファルトに比べたら何て事無い。上に乗っている千佳ちゃんは少し重いけれど。
「ははは、おもしれー画が撮れたぜ!」
それと入れ替わるようにして、ドローンが憎たらしい持ち主の元へと戻って行く。悔しいな、機械に罪は無いけれど、起き上がったら叩き落としてやりたい。
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