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カカカカンッ!!――
「あっ!」
「やべっ、引っかかった!」
低空飛行していたドローンの羽根が、森田さんが立てたカメラの三脚に引っ掛かり、機体が脚の間でぐるぐると暴れ回った。
ガタンッ……!!――
「ああっ、カメラが……!!」
一瞬、時が止まったかのような沈黙がもたらされた。ドローンの予期せぬ攻撃によって、カメラは三脚ごと砂浜に叩きつけられてしまった。
森田さんが急いで倒れた機材の元へと駆け付け、膝を砂に付けた低い姿勢で被害状況を確認する。遠目から見るカメラのボディは半分程砂に埋まっており、彼女はそれを泣きそうな顔で見つめていた。
「千佳ちゃん、降りて!」
私は抱えていた千佳ちゃんを横に降ろして立ち上がり、全身の砂を払い落とした。私達にケガは無かったけれど、カメラが壊れていないか心配だ。
「ちょっと、あんたどこ触ってんの!?」
「わざとでは無い。そも倒れて来たのはその方であろうが」
一方、レイネも茉莉子ちゃんをナイスキャッチしていたが、相変わらず険悪ムードだ。なぜかと言うと、茉莉子ちゃんが暴れた拍子にジーンズがずり落ちて、隠れていたおヘソがのぞいてしまい、その状態の彼女をレイネが抱きとめながら倒れた際に、偶然にも手が彼女のおヘソに触れてしまったかららしい。何はともあれ無事みたいなのでこっちは放っておこう、今はカメラの方が心配だ。
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