ランチタイム

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ランチタイムは和やかな雰囲気の中進み、お弁当を食べ終えた後は7・8人くらいが集まっておしゃべりに花を咲かせた。会話の大半はレイネの事ばかり聞かれたので、ボロが出ないように話を合わせるのが大変だった。 「なんか廊下が騒がしくない?」 「うん、人口密度が高い気がする」 ある時、千佳ちゃんと森田さんが廊下の異変に気付いた。ふと廊下に目を移すと、他のクラスの生徒が十数人立っていて、通路からこっちを見ていた。 「何かあったのかな?」 我がA組の教室は中央ホールから一番遠い廊下の端にあり、トイレも購買部からも離れており、特に用が無ければ来る事の無い場所だ。 「あれ、天宮さんを見に来てんだろ。他のクラスで話題になってるらしい、よく知らねえけど」 「えっ!?」 窓側の席の有働君が近づいてきて、ボソッと情報を教えてくれた。 「誰かが『新入生が来た』って言いふらしたのかな。口コミって凄いね」 出来るだけ目立ちたくなかったのに、一体誰がそんな余計な事をしたのだろうか。 「千佳ちゃんの仕業じゃないの? ほんとスピーカーなんだから……」 「うぇー!? そりゃ何人かにはしゃべったけど、こんなに来るかなあ?」 廊下の人だかりは7:3くらいの比率で男子が多め、所属しているクラスもバラバラで、別の階に教室のある上級生も何人か混ざっていた。
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