砂浜を飛び跳ねて

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「いやいや、あんだけガツ――ン! と砂にダイブして無事っておかしいじゃん!」 「上手く受け身が取れてたみたい」 「奇跡かよ」 みんなで「無事な訳が無いだろう」と、代わる代わる森田さんを質問攻めするが、彼女は平然とした口調で無事をアピールした。 「なんだぁ、こんなに心配したのに……」 「ごめんごめん。まだまだ初心者だから、確認するのに時間掛かっちゃって……」 千佳ちゃんに責められた森田さんは、頭をかきながらバツが悪そうに応じた。さっきは思い詰めた暗い顔をしていたのが、苦笑いでも明るい表情に変わったのは良い事だ。 「どうする? これじゃチャラーノに伝え甲斐が無くない……?」 「そんなら、(あいだ)をとって『修理費用として五萬円頂戴致します』って送っとこう」 「八、八! 八萬にしよう!」 「わー、それはやめとこうよ!」 振り上げた拳の下ろし場所に困った千佳ちゃん達は、うその修理費用をオークション形式で決めて伝えようとした。 「大丈夫だって、田中が先に吹っ掛けたんだから。あのドローン、うちの近くの電気屋で1万3000円だったし、これでおあいこ」 「そうなんだ……」 うららちゃんからドローンの値段を聞かされて、少し罪悪感が薄まった気がする。でも、あまり脅かさない方がいいと思うけれどなあ。
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