砂浜を飛び跳ねて

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第1チェックポイントと同じようにA組担当のテントに向かうと、担任の赤沢先生がパイプ椅子に腰かけていた。 「おっ、お前ら来たな」 「先生、体調は大丈夫?」 みんなが真っ先に気になったのは、2日酔いの経過だった。 「おう、バッチリだぜ!」 「良かったですね!」 朝はゾンビのように青ざめていた顔色も元に戻り、浜歩きに耐えられる状態に回復していた。 「ていうか、俺はチェックポイント担当だからほとんど歩いてねえし。ここまでバスで来たからな」 「ずるーい!」 「ずるくない。先生には君達大事な生徒を見守るという非常に重要な任務があるんだ、はっはっは!」 もっともらしい言葉も、風に乗ってぷーんと伝わってくるお酒の臭いで説得力0だ。実際に歩いていたら、1㎞ももたずにリバースしていたかもしれないのにね。 「まあ、立ち話もなんだし、チェックしないとな。えーと、望月に早川と……、お前ら結構早いな」 「そうなんですか?」 「うん、うちのクラスだと7・8番手くらいだな」 先生がチェックリストを見せてくれた。チェックされたレ点の数はリスト全体の1/3程度で、全校生徒の通過率もそれくらいだと推測する事が出来た。スタートが遅く、寄り道やトラブルがあったにもかかわらず、走ったお陰でいつのまにか大きく挽回出来ていた事がわかった。
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