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「これなら急ぎ目で行けば、3時までに海の家着けるかもしれないな。つっても、タイムリミットは4時に繰り下げになったんだけどな」
「ええ!?」
「何でですか?」
一生懸命走ってきた私達にとって、これはちょっと衝撃的な言葉だった。
「ウチもそうだけど、高速道路の渋滞で到着が遅れたクラスが結構あったんだよ。だから、急遽変更」
「それ早く教えてよー!」
私も千佳ちゃんの意見に同感だ。これでは何の為に汗だくで走ってきたのかわからない。タイムリミットを変更した時点で、校内専用のサイトからメールで生徒達に通知を送る事だって出来るはずだ。今朝も大会の実施を知らせるメールが届いていた訳だし。
「すぐに伝えたら、タラタラ歩いて4時にも間に合わないのが続出するだろ? だからここで伝えるのがベストなんだよ」
「それは否定出来ない……」
ここは先生達の方が生徒の事を良くわかっている。
「早く着くに越した事ないぞ。4時半には帰りのバスに乗らなきゃいけないから、遅く着いたらほとんど海の家で過ごせないからな」
話を聞く限り、遅く着く事にあまりメリットは無いみたいだ。
「ま、若いんだから頑張って歩いて来い。お前ら、もうメシは食ったのか?」
「いえ、まだです」
「まだだって!? 早く食わないと弁当が腐っちまうぞ? ここを出て少し歩いた海岸沿いにベンチとか東屋がボコボコ建ってるから、そこ使え」
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