ランチタイム

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「私、他のクラスの女子にしか言ってないよ。茉莉子ちゃんに萌ちゃん、千咲ちゃんに菜々美ちゃんとひなたちゃん、あとはもう2・3人にしゃべったかな」 「結構多いじゃん……」 たぶん、何割かは千佳ちゃんのせいだ。ただ、それでもまだ全体への説明にはなっていないような気がして、私はあごにこぶしをあてながら推理を続けた。 「口コミだけとも限らないんじゃないかしら? SNSの方が急速かつ広範囲に情報が伝わる訳だし」 浮月さんが静かにつぶやいた。彼女は廊下の群衆をチラッと横目で見て、うるさくて迷惑だと言わんばかりの表情でため息をついた。 「そっか、それだ! もしかして、さっき望月さんが撮った記念写真が流出したんじゃないの?」 「じゃあ、誰かが千佳ちゃんの送った画像を勝手に他のクラスの子に送ったって事?」 確かにそれだったら、集団のメンバー構成が別々の学年やクラスの男女とバラエティーに富んでいるのも説明がつく。 「ちっくしょう! 誰だー、裏切者はー!?」 それを聞いた千佳ちゃんは、急にイスから立ち上がって犯人捜しを始めた。立った時のエネルギーがそのままイスに伝わり、スライドして私の机に衝突したので、危うく指を挟まれそうになった。 「ねえ、私の送った画像を勝手に他のクラスの子に送ったの誰!?」 「俺じゃねえって!」 「ウチでも無いけど?」
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