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「ホントだ! これは無理だ……」
地図を航空写真に変換してみると、河口は両岸がコンクリートでガッチリ固められていて、下に降りる事自体が難しい構造になっていた。近くに橋は無く、川を遡った先の水門の更に奥に行った所で、ようやく一つ架かっている所を見つけた。
この画像をみんなに見せると形勢は一気に傾き、
「だったら、直進してから右に曲がるより、今からここを斜め右方向に進んで橋を目指した方が最短距離だね」
「じゃ、浮月ちゃんの案で決定という事で」
「そうしよう」
満場一致で浮月さんルートを選択する事になった。
「わかったわ。でも、道が枝分かれしてるから注意が必要よ」
「それならあたし、まだ充電たっぷりあるからナビ係するよ。森田ちゃんはカメラ係ね」
「OK!」
「任せた」
何だかんだでチームワークが出来てきた気がする。このまま協力して進む事が出来れば、制限時間内にゴール出来るかもしれない。
私達は右手に進んで砂浜からアスファルトに上がり、斜め前方に続く細い歩道へと進んだ。暫くは左手に海を見ながら走ったが、ナビの指示に従って進む内に少しずつ海は遠くなり、今度は右手に田んぼが見えてきた。
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