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魚雷のように彼の背中目がけて忍び寄る彼女。彼の3歩後ろまで接近した時に隣にいた有働君がその存在に気付いたものの、彼にそれを伝えるにはあまりにも時間が短かった。
「それーー!!」
「ぐはっ!!」
千佳ちゃん魚雷は見事瀧本君の背中に命中し、彼はまるで血を吐いたような声を出して前方に倒れた。
「きゃー! 冷たーい!!」
そして彼女もまた、直後にウォーターガンのビームが顔に直撃し、玉砕した。
それは、元々瀧本君を狙っていた物だったのだけれど、千佳ちゃんが彼をタックルで倒した事で狙いが外れて、代わりに彼女が被弾してしまったのだった。
「わりい、大丈夫か!?」
「ひどーい!!」
「100%お前のせいだろうが……」
慌てて駆け寄る男子に対して、びしょ濡れの彼女は両手で顔の水気を拭いながら抗議した。完全に自業自得なのにね、瀧本君も手やひざに付いた砂を払いつつ呆れていた。
「タッキーのくせに冷たいなぁ、せっかく走攻守そろったプレイヤーになれるように祈ってあげたのにー」
「……ん? 何でソレを知ってんだ?」
「あたし達も神社お参りして、タッキーの絵馬見つけちゃった♡」
「やめろ! 他人の願い事を勝手に見るな、バカ!」
「だって、絵馬じゃん」
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