ラストスパートの景色は

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どこまでも図々しい千佳ちゃんは、めげる事なく4人目のレイネにオファーを出した。 「構わないが」 「えっ?」 そしてそのワガママは実り、レイネがOKを出してしまった。 「やったー! ふふふーん♪ ふふふふ――ん♪……」 良いラクダ役を見つけた千佳ちゃんは、機嫌よくお決まりの童謡のメロディーを口ずさんだ。あんまり甘やかしちゃダメなのに……。 「但し、捕まえて飛び乗る事が出来たらの話だが。さあ、行くぞ!」 でも、レイネはそう簡単には乗せようとせず、千佳ちゃんを置き去りにして野生のラクダ(の生態はよく知らないけれど)のように駆け出した。 「あーん、意地悪―!」 千佳ちゃんが泣きそうな声を出して追いかけても、レイネの足が止まる気配は無く、まだまだ先の長いフォルス・ストレートを快走する。彼女はやっぱりスパルタ教育らしい。 「もう、みんな走るって言ってないのに……。タッキー、また海の家でね!」 「ああ、気をつけてな……」 「振り回されるわね……」 「わわ、待って! 水筒だけしまわせて!」 「お前ら忙しいな。まっ、頑張れよ」 瀧本君達に見送られながら、私達3人も覚悟を決めて2人の後を追いかける事になった。
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