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「10・9・8・7・6・5・4・3・2・1……、スタート!」
「いっきまーす!!」
何はともあれ、千佳ちゃん魚雷は無事発射された。50m走のようなスピードで走っているので、すぐにスタミナ切れを起こさないか心配ではあったものの。
続いて、30秒後にスタートする森田さんと浮月さんがスタートラインに立った。
「2人はご褒美何がいいの?」
「私はラムネかサイダーが欲しいな」
「ゴールするまでに考えておくわ。とりあえず、望月さんは追い抜きたいわね」
「あ、そろそろだ。早川さん達、お先に!」
立ち話もそこそこに、2人そろってスタートした。2人とも千佳ちゃんほどガツガツしてなさそうで安心した。
さあ、後は私とレイネだけだ。彼女はどんなご褒美を希望するのだろう。ウォーミングアップで足首を砂浜でこねくり回しながら彼女に聞くと、
「特に無いな。だが、おめおめと敗れるのは性に合わぬ。必ずや先頭でゴールを駆け抜けようぞ」
欲の無い答えが返ってきた。よっぽど走るのが楽しいみたいだ。
「体調は大丈夫なの?」
「ああ、地の果てまでも走れそうだ」
「そっか。もうすぐだね、5・4・3・2・1……」
「よし、行こうぞ!」
千佳ちゃんには絶対に負けられない! トップハンデの私達もゴール目指してスタートを切った。
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