海の家でのひと時

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世間は狭い、マダムが海の家のおかみさんと姉妹だったとは。ほっそりしたマダムとまるっとパワフルなおかみさんとは対照的なスタイルだけれど、言われてみればどことなく顔立ちが似ている気がする。 「それは私が育てたイチゴだよ」 「そうなんですか!?」 「どおりで美味しいと思ったー!」 そして、イチゴの世間も狭かった。千佳ちゃんのほめ言葉はちょっぴり調子がいいけれど、それなら味も鮮度も抜群だよね。 「先程は有難う御座いました。是非ともお礼がしたいので、お名前とご連絡先をお聞かせ願えませんでしょうか?」 「あっはっは! いいんだよあれぐらい」 「ちょっとレイネさん……」 私がマダムの情報を聞き出そうと思ってたのに、レイネに先を越されてしまった。マダムは嫌な顔せず笑ってくれているから、チャンスはありそうだ。 「あれ、しーさん、また若い子にちょっかい出してんの?」 この後、おかみさんも2階に上がって来て、 「よっちゃん、聞いてよ。やっぱさっき会った子達だったよ」 「はー、しーさんの嗅覚はすごいねえ!」 この奇跡の再会話で盛り上がった。それを記念しておかみさんが若い店員さんを呼んできてくれて、マダムやおかみさんと一緒に集合写真を撮ってもらった。 そして、これはレイネのアイディアなんだけれど、撮った写真を絵葉書にして送るとマダム達に約束したのだった。
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