ランチタイム

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「そう目くじらを立てる程の事でも無いだろう、写真ぐらい好きにさせておけ」 「えー!?」 レイネの予想外の意見に千佳ちゃんは目を丸くして驚いた。レイネったら何勝手な事を言っているんだろう、好きにさせていい事なんてあるもんか。 「おい、聞いたか! 天宮が言ってるからいいんだよ。望月さん、何キレてんですかー?」 「うっせ! しゃべんな!」 鬼の首を取ったようにあおる田中君に対して、レイネにはしごを外された千佳ちゃんは、強気な言葉の中にも焦りが見えた。 「だが、君は彼女がどういう気持ちで写真を撮って私達に送ってくれたのか、少しでも思いやる事は出来なかったのか?」 「はい……?」 写真撮影には大らかな態度を示していたレイネが、今度は田中君の行動に疑問を投げかけた。 「彼女は登校初日の私とクラスの皆との親睦を深めようと、率先してその機会を作ってくれたのではないか? その写真を粗末に扱うのは感心しないな」 「いや、だから俺は他のクラスの奴らとも親睦を深めてもらおうと思って送ったんだけどさ……」 「…………」 取ってつけたようなみっともない言い訳に対する言葉を持ち合わせていないかの如く、レイネは何も言わずまっすぐに彼を見つめた。真実を映し出す鏡のように澄んだ青い瞳に見つめられた彼は、耐えきれずにうつむいて目をそらした。
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