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「これが狂言の新しい形か」
「たぶん違うと思う」
何かと首を突っ込みがちなレイネも今度は止めようとはせず、千佳ちゃん達の動きを興味深そうに見ていた。
「こら、何をバカ騒ぎしているんだ! お前達、そんなに反省文を書きたいのか?」
「まったくもう……、ケガして余計な仕事増やさないでちょうだいね」
B組担任の白石先生と保健の小野寺先生が上ってきた。
うちの担任の赤沢先生と違って白石先生はしっかり者の厳しいタイプだから、こんな場面を見られたのは、ちょっとまずかったかな。
「い、いいえ先生。僕達、お互いに完走を称え合っていた所です!」
「そうそう、B組メンバーともクラスを越えてズッ友に!」
騒いでいた両者も、肩を組みながら取ってつけたように品行方正な生徒面してごまかそうとした。
「嘘つけ。まあいい、とにかく落ち着いた行動を求める。無事に帰宅するまでは完走とは見なされないからな」
「はい……」
「小野寺先生、私は下で待機してますので、先生は2階をお願いします」
「はい、了解」
白石先生は深々とクギを刺してから、監視役に小野寺先生を残して1階へと下って行った。
「ひぇー、あっぶねぇ! 白石がぶちギレるとこだった」
「嫌な汗かいちゃったよー!」
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