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「君の言う親睦の図り方とは、殴り合いをする事なのか? それに、『法律違反では無いから良い』等、狡賢い輩の戯言に過ぎない。高校生なら、自分の行動が他人にどういう影響を及ぼすか、よくよく考えるべきだ」
「くっ……」
皮肉交じりに問い詰める彼女に、口の減らない彼も言い返す事が出来なかった。しっかりと彼をこらしめて、胸のすくようないい事を言ってくれたのは良かったけれど、「自分の行動が~」なんて自分を棚に上げてよくも言えたものだ。
その苦言は、田中君だけでなく一緒にいた男子グループにも呈され、
「君達も写真を撮るなら、こそこそ隠し撮り等せずに一声掛ければ良いのではないか? 私は逃げも隠れもしない」
「ごめん、悪かったよ」
「ホント、サーセン……」
彼らも正々堂々とした態度には成す術が無かったのか、田中君の仲間にしてはあっけないくらい素直に謝ってくれた。
「そうだそうだ! 土下座しろー!」
「やめなって、千佳ちゃん!」
やっと騒ぎが落ち着いて来たのに、すかさず弱った相手を攻撃しようとする千佳ちゃんには困ったものだ。もっと大人になって欲しい。
「しかし、解せぬな。あの写真にそれほど人を焚きつけるような物があったとも思えないが。君、彼が送ったメールを見せてくれないか」
「あっ、はい……」
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