岩場からのSOS

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「えー!? 私ばっかり集中攻撃ずるーい!」 千佳ちゃんは両手に沢山のカードを持たされ、不機嫌な顔をしていた。彼女は遊びでも負けていると本気で怒りだすタイプだから、ちょっと心配だ。 「ごめん千佳ちゃん、一瞬ストップなう!」 「どしたの?」 今は鈴木さん達の方が心配なので一旦ゲームをストップしてもらい、鈴木さんから何か連絡が無かったか聞くと、彼女は壁際で置き去りになっていたスマホを確認した。 「やばっ! 萌奈ちゃんから電話来てた!」 千佳ちゃんのスマホにも着信があった。時刻はレイネに連絡のあった2分前で、マナーモードにしていたのと千佳ちゃんがトランプに夢中になっていたせいで気付く事が出来なかった。 「で、萌奈ちゃんに何かあったの?」 「まだわからないんだけど、レイネの方にも着信があってさ……」 これだけの情報では、緊急性があるかどうか判断がつかない。もしかしたら、千佳ちゃんへかかってきた電話は長めのコールがあったかもしれないが、そこまではわからない。ただ、時系列としては、千佳ちゃんが繋がらなかったので、今度はレイネにかけてきたと考えるのが自然だ。 ドーン……、ドドーン!―― また近くに雷が落ちた、今度は小ぶりなのが駆けっこのように2つ続いた。
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