ランチタイム

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レイネは、男子グループの中でも一番気の弱そうな子からスマホを借りて、田中君が写真を送った時のメールをチェックした。その子はなぜか小刻みに震えながら、落ち着かない様子で彼女を見ていた。 「……。これを読み上げてくれないか?」 確認を終えた彼女は、怒るでも笑うでも無く落ち着いた表情で、スマホを近くにいた森田さんに渡した。 「う、うん……」 「おい、やめろ! やめてくれって!」 田中君が急に暴れだしてスマホを奪い取ろうとするも、3・4人の男子にがっちりホールドされているので近づく事が出来ない。その間にスマホの画面を見た森田さんの表情が固まり、読むのをためらっているように見えた。それでも、レイネに目で促されて一呼吸置いた後に彼女が読み上げたのは、聞いている方が恥ずかしくなるような、内容だった。 「『ウチのクラスにパツキンJKキタ――(゚∀゚)――!! 1-Aきょにう撮影会場(ソ●マップ)はこちらです!(^^)!』。あはは……、な、何だろうね、コレ……」 演劇経験者の彼女は、プロの声優みたいに思い切り良く、絵文字に込められた変なテンションまでも忠実に表現してくれたが、読後に襲う恥ずかしさに苦笑いするしか無かった。 「うわ、何コイツ、サイテー!!」 「キモ過ぎて引くわあ!」 「おいおい、どっからツッコめばいいんだよww」 その反響はあまりにも大きく、女子の悲鳴と男子の爆笑、そして批難の声が轟轟(ごうごう)と巻き起こった。
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