カミナリ様の放課後は

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カミナリ様の放課後は

午後の授業でも、積極的に手を挙げて時には黒板に問題の解答を書き込むレイネの姿が目立った。 1人だけ違うテンションの彼女が浮いていないか心配になったが、周りでは「1ヶ月の遅れを取り戻そうと頑張っているんだね」とか「イギリスの学校はこんな感じなんかな」とか、おおよそ彼女の行動の背景を現実的な範囲で推測してくれていた。 ――キーン、コーン、カーン、コーン!―― 1日の授業が終わり、帰りのホームルームの時間を迎えた。担任の赤沢先生からの連絡が終われば放課後で、部活に予備校に遊びにとそれぞれのスケジュールへ散らばって行く事になる。 「みんな、久しぶりの学校どうだ、疲れたろ? 先生も疲れたよ。生徒は連休中ずっと休みだったけど、俺はちょいちょい学校来なくちゃいけなかったから、あんまり休んだ気がしなかったわ」 首を左右に振ってコキコキと音を鳴らす先生は、かなりお疲れのようだった。 10代の私達だったら1日ぐらい家で寝ているか、なんなら外で思いっきり遊んでいたって元気になるけれど、大人になると体力は落ちるし疲れも取れにくくなるというから大変そうだ。 「まあいいや、放課後は部活の様子を見ながらイスに座って昼寝するから」 「先生、ちゃんと見ましょうよー!」 先生にあるまじき不真面目発言に、生徒からツッコみが入った。大人と言ってもまだ若いんだから、放課後くらいならシャキッと頑張れるだろうに。先生が顧問のクラブはちゃんと活動出来ているのか心配だ。
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