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「くく……、あははっ！」
「いきなりどうした？」
何だか色々おかしくて、笑いが込み上げてきた。
「よりによって何でこれがお土産なの？ かわいいけど、あはは！」
「手持ちが無かった故、仕方無い。帰りのバスの出立時刻も迫っていた」
「無理して海の家で買わなくても、帰りのサービスエリアで別のを買えば良かったんじゃない？」
「これは❝当地限定❞と書いてあった。旅の記憶を想起するのにうってつけであろう」
確かに、このキーホルダーを見る度に浜歩き大会の事を思い出すだろう。出発前から道中、家に帰った後の事まで鮮明に。
「色々あったけど、楽しかったね」
「ああ、大いに見聞を広める事が出来た」
一般的な浜歩き大会で得られる思い出以外に、様々な苦労も経験した。でも、思い出した時にこうして笑えるって事は、きっと楽しかった証拠だと思う。
「さあ、抹茶ジェラートの店まで出発だ」
「うん」
さて、今日はどうなるかな。
自転車にまたがり、漕ぎ出す脚は少しだけ軽かった。
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