今日もどこかで稲光

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「うぉっ、賞品豪華過ぎじゃね!? 大賞はメダルにギフトカード3万円分、優秀賞はドローンだってよ」 「ぶっちゃけ、どれも欲しいなあ。絶対応募する!」 人だかりでよく見えないが、他の生徒の話ではかなりの豪華賞品が用意されているようだ。しかも、スマホで撮った写真でも応募出来るらしく、コンテストはかなりの激戦が予想されるだろう。 「そういえば、私達田中君にドローンで写真撮られてたよね? 変な写真応募されたりしないかな……?」 「そ、そうだよね……」 森田さんが心配するのも当然で、私もそれがずっと気になっていた。 彼のスマホにはドローンで撮影した画像が入っていたはずだ。そこには、ドローンで脅かされて慌てふためく私達の恥ずかしい姿や、何よりレイネの電撃で撃墜されたドローンが最期に見た景色が収められているかもしれない。特に、後者は彼女の正体がバレてしまう危険性がある。 レイネにその事を伝えたら、涼しい顔して「案ずるな」と言っていたけれど、本当に大丈夫だろうか。 「なになに、どしたの?」 そこへ、天敵の千佳ちゃんがやってきたので、かくかくしかじか伝えると、 「ああ、それね。さっき鈴木ちゃん達から聞いたんだけど、何かスマホぶっ壊れてデータ全部飛んだらしいよ」 「そうなの!?」 思い返せば、彼のスマホはドローンが墜落してから海の家に着くまでの間に壊れて電源が入らなくなっていた。鈴木さんや彼の友達(一時絶交中)によると、バックアップも取れていなかったらしい。
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