今日もどこかで稲光

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すると、こちらを振り向いた陸上部員達の目が、獲物を見つけたハンターのように見開かれ、 「ちょうどいい、他の4人が来たぞ! 手分けして説明しろ!」 「はい!」 1人ずつ私達の所に散らばって来て、スカウトを始めた。 「早川さんだよね。浜歩きの時見てたよ、めちゃくちゃ足速かったね! ねえ、陸上部入らない?」 「えっ!?」 どうやら、大会の道中で繰り出した猛ダッシュが、彼らの目に留まったらしい。足の速さには多少自信があるけれど、わざわざスカウトに来るほどの速さだっただろうか。 「掛け持ち大歓迎だから、一緒に汗を流そうよ!」 「いえ、今の部活だけで一杯一杯なので……」 「(おっしゃ)(おっしゃ)るー! 短距離でも中距離でも次世代のエースは君だよ!」 「いっ、今は無理です。お気持ちだけで……」 「そんな冷たい事言わないで入ってよぅ! 何なら七種でもいいから!」 「もっと無理です!」 何て熱烈なアピールだろう。彼らはレイネ達にも命乞いじみた説得の言葉を繰り返していた。何とかお断りする事が出来たけれど、結局1限目の先生が来るまで帰ろうとしないガッツに驚いた。それにしても、走るのはいつもビリギャルな千佳ちゃんまでスカウトされるとは思わなかったな。
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