五月雨のライトニングガール2

カミナリ様の放課後は

「そうそう、部活と言えば今日から追加告知が始まったから、『もう1回入る部活(ところ)を考えたい』とか『1つじゃ足りないから他に面白そうなの探したい』ってのがある奴は、ちゃんと見に行くようにな」

先生の言う『追加告知』とは、5月の連休明けに行われる部活動紹介の期間の事。我が校では4月の入学式直後とは別に、この時期に改めて紹介の機会が設けられている。今日から2・3日は多くの部活が通常の活動を中止し、部室や体育館、講堂等で活動内容の紹介を行う予定だ。

新入生としては、入部してみたものの、イメージと違ったので他の部に入り直したい時にもう1度考える事が出来る。
部活の側は、入学時に思うような部員の確保が出来なかった時のリベンジとして、有効活用したいという考えがある。
学校側も生徒の自主性に基づいた多種多様なクラブ活動を推奨しており、1人で2つ以上の部を掛け持ちする生徒を増やす手段としても、期待しているらしい。

いつかの夕飯時(ゆうはんどき)に家でこの仕組みについて話したら、お父さんも「ミスマッチが解消出来るし、三方(さんぽう)win-win-winってわけだ。考えたもんだね」と、ビジネス用語を使って感心していた。
お母さんからは「レイネちゃんに校舎を説明しがてら、色んなクラブを見せに連れてってあげなさいよ」と言われたので、これから各会場を案内しないといけない。

「じゃあ日直、号令を」
「起立！　礼！」
「ありがとうございました――！」

日直当番の号令とともにホームルームは解散となり、みんな続々と教室を出ていった。