今日もどこかで稲光

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「お茶でも()れてこようか?」 「ああ、熱くて濃いのを頼む」 お茶の用意をしに階段を下りながら考える。 カミナリ様である彼女にはまだまだ謎が多い。一緒に過ごす中で彼女の事をだいぶわかってきたつもりでも、ふとした事がきっかけでこれっぽっちもわかっていなかった事に気付かされ、不安になる時もある。 「でも、まあいいか」 新茶の入った2つの湯呑みをお盆に乗せ、階段を上りながら考える。 考えすぎても始まらないよね、これからも毎日のように新たな謎がゴロゴロ落っこちてきそうだし。 「レイネ、お茶が入ったよー!」 「おお、すまないな」 湯呑みを受け取る彼女の表情は、外の天気とは対照的に晴れやかだった。 これからも私と彼女の周りは、当分の間、雷のように賑やかで騒がしい日々が続きそうだ。五月雨の頃にはもうちょっと穏やかな日常が訪れているといいな。 私は空を見上げながら、稲光が去った後に訪れる、きっと刺激的な毎日の事を考えていた。
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