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教室に残っている人数が私達を含めあと4・5人になった頃、レイネと部活について話をした。
「通常、部活動の勧誘は4月に行われる物と聞いていたが、わざわざこの時期に私の為に部活紹介を行ってくれるとは、いやはや頭が下がるな」
「別にあなたの為じゃないんだけど」
追加告知は何年も前からの取り組みなので、彼女1人の為に特別に実施しているのでは無い。神様だからって、何でも自分中心に物事が動いていると思ったら大間違いだ。
「レイネは何部に入りたいの?」
「まだ決めかねているが、下界の教育事情を窺い知る事さえ出来ればどこでも良い。物見遊山に来たのでは無いのだからな」
そうだ、それが彼女の本来の目的だ。だから授業中もあんなに一生懸命だったのは、ある意味当然の事だ。でも、部活動までそんなに肩の力を入れる必要は無いと思うけどな。
「強いて挙げるのなら、『歴史研究部』や『古典研究部』だろうか。『鉄道研究部』等も良いかもしれぬな」
「そんなのに入りたいの!?」
研究ばかりの地味なチョイスにびっくりした。私がどちらかというと身体を動かす系の方が好きなせいもあるが、どれも難しくて面白くなさそうだ。彼女だって、楽しそうな部だと思って選んでいないんじゃないだろうか。
「運動系でやりたいものは無いの?」
「特には無いな。残念ながら、この学校には薙刀部が無いようだ」
「なぎなた以外にもいっぱいあるのに……」
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