カミナリ様の放課後は

7/13

67人が本棚に入れています
本棚に追加
/356ページ
更衣室で練習着のTシャツとジャージのズボンに着替えてスタジオに入ると、先に着いていた森田さんの隣に体育座りして、他の部員とともに部長が来るのを待った。 左右を見回してみると、1年生部員の数は連休前よりも少なく感じた。1ヶ月間やってみて「自分には合わなかった」と、来なくなってしまう子は当然出るだろうし、中には時間にルーズで遅刻してくる子もいるだろう。連休の真ん中に1回でも活動日があれば、その辺の流れがわかったかもしれないが、何分空白期間が長すぎた。 しかし、今はその子達がここにいない理由を詮索するよりも、自分が久しぶりの部活になじむ事の方が先だ。肩よりも下に長く伸ばした髪をヘアゴムで束ね、この後のダンス練習に集中出来る状態でスタンバイした。 「はーい、みんな元気だったかなー? 今日は練習もやるけど新入部員の勧誘頑張ろうね! それは2年も1年も同じだよ、OK?」 「はーい!」 部長の中里先輩がやって来て、久しぶりの挨拶と活動紹介の説明を始めた。彼は男子にしてはやや小柄で私よりも背が低く1年生と間違われる事もあり、下級生の私が言うのも失礼かもしれないけれど、可愛い雰囲気がある。でも、演劇に関しては部の誰よりも詳しく、常にみんなの先頭に立って指導していて、その実力と情熱は誰もが認める存在だ。 「今日は追加告知日だから、後で他の部を見に行っていいけど、まずはしっかりウチの部をアピールしてからにしよう!」 「はい!」 部長の説明で場の空気が程よく温まると、すぐに本日のスケジュール表が配られた。
/356ページ

最初のコメントを投稿しよう!

67人が本棚に入れています
本棚に追加