夕暮れの帰り道

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「いいよ、私が食べたくて来たんだから。一緒に食べよ」 待つこと2分、カップに入った揚げたてのポテトを受け取って近くのベンチに腰掛けた。 「今日はおまけしておきます」と、店員さんがサービスで山盛りにしてくれたポテトは、カップに収まりきらずに何本か落ちそうだ。それをサルベージとばかりにつまようじで刺して口に入れた。 「やっぱ美味しいわぁ!」 「うむ、実に旨い」 揚げたてという事もあり、表面はカリカリで中はほろりと崩れる私好みの食感だ。レモンの爽やかな香りと酸味も程よいアクセントになっている。彼女の口にも合うようで良かった。 「ちと荷物を見ていてくれ」 途中で彼女がバッグを残して席を離れた。 どこに行くのか目で追っていると、お店のカウンターの前で何かを注文していた。そして、飲み物の入ったカップを両手に持って帰ってきた。 「喉が渇いたであろう。飲むが良い」 彼女は右手に持っていたジンジャエールを私に差し出した。 「えっ、いいの?」 「世話になりっぱなしというのは性に合わぬ。有難く受け取るが良い」 彼女は「褒美だ」と言わんばかりにそれを手渡すと、左手に持っていたオレンジジュースをぐびぐびと自分の喉に流し込んだ。
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