夕暮れの帰り道

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「ありがとう……。でも、ここはドリンク高いんだから無理して買わなくても良かったんだよ? 後でペットボトル買って飲んだ方が安いんだから」 「しみったれた事を申すでない」 カミナリ様である彼女は、天界から用意された潤沢な『支度金』を持っていて、高いジュースの1杯や2杯飲んだ所でお金に困る事は無い。でも今度、スーパーやドラッグストアで買った方が安上がりだという事を教えてあげよう。 「ほら、もっと食べなよ。スタミナ付けないと」 「じゃが芋でスタミナが付くのか……? そんなには食えぬぞ」 山盛りだったポテトもだいぶ減ったが、まだ半分くらい残っていた。彼女は大きな身体の割に意外と少食らしく、手に取るスピードが明らかに鈍っていた。まあ、その分私が食べるからいいけれど。 「しかし、困った物だ。初日から倒れてしまうとは。これでは先行きが不安だ」 「そうだね……」 確かに、放課後に体調が悪くなったのは大きな問題だ。 私達は出会った日から今までずっと一緒にいたから、彼女のエネルギーが切れかかった時もすぐに補給出来て事なきを得ていた。学校でも授業中は一緒にいるからいいが、放課後となるとそうも行かなくなる。 「何か妙案は無い物か……」 「うーん……」 朝出かける前の補給を多めにしたらどうだろうか。ただ、それも完璧とは言えない。予期せぬ事態に遭遇した彼女が、突発的に大きな力を使ってツノが飛び出たなんて事になったらおしまいだ。
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