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「そう、詩乃ちゃん家はすごいでっかいよ。庭で野球が出来るし、廊下でボウリングも出来るよ!」
「おお、スゲー!」
誤解を解こうと思ったら、幼稚園からの幼なじみの千佳ちゃんこと望月千佳が急に割り込んで来た、間違った情報を伝えながら。
「出来る訳無いでしょ! やめて千佳ちゃん、話盛り過ぎ!」
「いいじゃんいいじゃん、私達親友なんだから。隠すな隠すな!」
「隠してな……」
「この間詩乃ちゃん家に遊びに行った時も、駅前の洋菓子屋さんの超大人気フルーツタルトがおやつに出て、レイネちゃんが紅茶淹れてくれたんだ。あとね……」
「わあ、いいなあ!」
彼女はちっちゃい身体のどこから出てるのかという大きな甲高い声で、我が家の余計な情報をある事無い事ベラベラと話し続けた。
「うぜえ……。アイツ高校生になっても変わらねえな」
「そうだね」
瀧本君の言う通り、彼女は昔からおしゃべりが大好きで話し出すと止まらない。しかも時々話を盛る癖があるから困る。
「さあ、盛り上がった所で記念撮影タイムだね」
「何で……?」
唐突に千佳ちゃんがおかしな提案をしだした。幼稚園から小中学校までずっとムードメーカーを務めて来た彼女は、その場のノリで周りを巻き込む事も多かった。
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