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先生の容態をハラハラ見守る事5分、バスはサービスエリアに到着した。
「えーと……、休憩時間は20分です。遅れると、この後の予定に支障が出るので時間までに必ず戻って来て下さい、以上!」
「はーい!」
先生はもはや連絡事項を読み上げる事もままならず、クラス委員の子が代わりに伝えた。
「先生、早く行って行って!」
こういう時、いつもならわれ先に外へと飛び出すのが私達高校生だけれど、今日だけはみんなが一番乗りを先生に譲った。先生は無言のままバスから飛び出し、よろよろと覇気の無い足取りでトイレへと向かって行った。
その後、前の席の子から順番にバスを降り、私達もそろそろ動き出す事になった。
「ねえねえどうするー?」
カラオケで熱唱した後も元気いっぱいの千佳ちゃんが私に聞いてきた。
「まずはおトイレ行っとこうかな、海岸まであと半分あるし」
「じゃあ一緒に行こ? レイネちゃんは?」
「一応そうしておこうか」
「森田ちゃん達も一緒に行こ?」
「私はまだ大丈夫。浮月さんとおみやげ屋さん行ってるよ」
そんな訳でバスを降りた後、私達3人はまずトイレに向かった。
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