✳︎ショートストーリー2✳︎

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……… 新居が決まってから 結婚式を挙げることで 若菜と話が合わなかった 何故か若菜は頑なに式を挙げたがらない 女性なら 一度はウエディングドレスを着たいはずだと 俺は勝手に思っていたら 若菜は「興味が無い」と… 若菜の両親に相談したら 「勝手にしないでください。」と 若菜に怒られてしまった 「なぁ…若菜? どうして嫌なんだ?」改めて聞いてみた 「30歳の女が… 今更ウエディングドレスなんて 恥ずかしいです。」 「俺は見たいけど?若菜の。 それに何年か経ってから… あの時やっておけば良かったになると思う。」 俺が言うと 「ウエディングドレス着るのは 譲るとして…式は挙げません。」と若菜。 「両親がして欲しいと言ってるのに?」 若菜はこう言った 「…だって、龍一郎さんの ご両親に見てもらえないのに 式を挙げても意味ないじゃ無いですか?」 若菜の目は何故か潤んでた 何だか見てられなくて 抱き寄せた そしてこう言った 「まさか…俺のこと気にしてなのか? 俺は大丈夫だよ。」 「嫌です…そんなの気にしてないなんて 嘘です。」 「はぁ…若菜? 俺のことを考えてくれてるのは 嬉しいけど…若菜の花嫁姿見られないのは 俺が嫌なんだけど? 一生に一度だよ?」 何とか説得してみる やはり若菜のウエディングドレス姿を見たい   「花嫁が主役みたいなのが嫌なんです。」 うっ…一度決めたことは 曲げられない性格なのか? 「それなら…家族だけでやるか?」 ピクっと体が動き 若菜が顔をゆっくりと上げた 「…それならやります。」 …ホッ。 若菜のご両親も許してくれるだろう… 娘が結婚するのに 華やかな姿を見れないなんて悲しいだろう 続く ………
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