✳︎ショートストーリー2✳︎

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……… タキシードに着替えた俺は 若菜の居る 新婦控え室へと向かった… ノックをすると 『はい。』 中から若菜の声が聞こえた 扉を開けて 中に入ろうとしたら ウェディングドレス姿の若菜が 鏡越しに俺を見て 「龍一郎さん。」と呼んだ 俺は若菜に近づき 「若菜…今日は いつも以上に綺麗だよ。」と 心の底から言うと 若菜は照れて両手で顔を隠した 「何で隠すんだよ?」 「だって…恥ずかしいこというから。」 「真実を言ったんだよ? 一段と綺麗になってる。」 「どうして…龍一郎さんは 恥ずかしげもなく 言えちゃうんですか?」 まだ…両手で顔を隠してる若菜 「恥ずかしいなんて無いし… みんなにうちの妻は綺麗だって 言って周りたいくらいだ。」 「…大袈裟です。」 「今日は特別な日なんだから 若菜…顔をちゃんと見せて?」 俺が言うと 渋々…隠していた手を顔から離した 俺を見つめる目は 少し潤んでる… 「若菜…どうした?」 「…えっ? あのぅ…やっぱり… 結婚式挙げることになって 嬉しいなってしみじみ思いました。」 「だろ?」 「はい…龍一郎さん ありがとうございます。」 そう言いながら涙が目から溢れ落ちた 「若菜…まだ泣くのは早いよ? 折角のメイクが落ちてしまうから…」 「ふふっ…そうですね…」 鏡の前に置いてあった ハンカチを取り 若菜に渡した… すると 式場のスタッフがやって来て 「豊川様…準備が整いましたので チャペルの方へ 新婦様とご一緒に…」 「はい、ありがとうございます。」と答え 俺たちはチャペルへと向かう… チャペルの扉の前で 若菜と一度別れる 俺はチャペルの中へ… 続く ………
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