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第2話 滅びへのカウントダウン
私はあるトラウマに悩まされていた。それは私の脳に焼き付く、ある幼少時代の記憶が悪夢になって現れ、定期的に魘されることがあった。
この日は久しぶりにまた例の悪夢に魘されてしまった‥‥
2052年 某日 サキ 1歳半
「おい! 早く逃げるぞ! 」
捕食者達の襲撃で私達家族が平穏に暮らしていた集落は紅蓮の炎に包まれていた。目の前では母親リナが私を巨大な人面蛸の姿をした、1匹の捕食者から身を投じて守ろうとしていた。
「リョウ止めて。私と娘のサキが分からないの? 」
「う、うう、リナ‥‥ サキ‥‥ 」
「そうよ、私達は家族よ。例えあなたが捕食者になってもあなたは私の大切な夫よ」
捕食者の正体は私の父 「浅川リョウ」 だった。すると後方から一人の少年が近づいてきて私達を父から引き離そうとした
「リナ、逃げろ! あいつはもう18歳になって捕食者に変化してしまったんだ」
「そんなことないわ! 」
少年の制止も聞かず母は泣きながら父に歩み寄ると
「グオオオオ! 」
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