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長門さんのスケ管は、思っていた以上に大変だった。 社長に紹介された翌日には仕事用の連絡先を交換し、メールのやり取りをするようになった。 今まで数年間海外をメインに活動していた長門さんが、日本に拠点を移すらしいと言うのは、前々から噂されていた。 だからなのか、早くも日本での仕事が何本か入っており、相手方からの連絡は一旦こちらに来る事になる。私はその内容に目を通し、優先順位を付け長門さんに連絡する。 そして、そのフィードバックを受け相手と交渉を行うのだ。 長門さんは今月一旦帰国し、数ヶ月滞在している間に今依頼の来ている仕事をこなすらしい。 日本に本格的に戻るのは秋頃と聞いている。 今は6月頭。 今月下旬にある、女性向け雑誌の特集記事用に、今旬の若手俳優 Kyoを撮るのが一番最初の大きな仕事だ。 長門さんからは、大体の条件を聞いていて、その範疇ならこちらで相手方と交渉する。 範疇外の事は連絡をとり詳細を詰めた後、相手と交渉する。 正直言って、今まで持っていた人の何倍もの仕事量で、安請け合いするんじゃなかったと後悔する。 そのうちきっと専属がついて自分の手を離れるだろうから、それまでの我慢だと自分を叱咤激励して仕事を進めていた。 「おい」 あー!本当もう定時なのに!帰りたい! 「おい」 そこでようやく自分のデスクの横に立つ人影に気付く。 見上げて愛想笑いをすると立ち上がる。
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