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「ああ、悪いな。学級委員だからとパシリにしてる訳じゃないんだけど、これから学年会議でな。これを社会科の畑野先生に届けてくれるか」
そう言って渡されたのはかなりの量のプリントの束で、僕一人では難しいかも・・・と思いながらも引き受けてしまう。
「眞島一人じゃ大変だから誰か手伝ってやれよー」と、教室の中に向かって言い渡した後、ヤバいヤバいと慌てて学年職員室へと向かう。
期待をしたわけじゃないけど教室を振り返ると、元々聞いてない人や目をそらす人ばかりで誰も手伝うとは言ってくれない。
僕もわざわざ頼んだりはしない。普段ならもう一人いる学級委員と二人で行くんだけど、二時間目の授業終了後すぐ教室を出ていってしまった。はぁ、と大きく息を吐いてひとつ上の階の社会科準備室へと向かう。
僕達一年とすぐ上の二年生は二階で東西に別れている。
三年生は更に階を上がった三階に教室がある。
縦長の校舎は真ん中にある生徒玄関の前にある中央階段を挟んで東西に伸びている。
一階は特別教室や事務室、職員室があって、二階は一年生と二年生の教室の他、学年職員室、三階は三年生の教室と学年職員室、生徒会室や風紀委員室、それと五教科準備室そして食堂がある。
二階の一年の教室の真上は食堂で、食堂を突き抜けた先に自販機やテーブルのある、通学途中で買ってきたコンビニ弁当なんかを食べることができるスペースがある。
ゴミの分別にうるさい学校で、教室では持参した弁当しか食べられない。
コンビニで買ったりしたものは、三階で食べなけばならない。教室で食べた場合はゴミの持ち帰りが義務だ。
共学であれば、お弁当を作る女の子達がいるだろう教室も男子校だと食堂が満員御礼となる。
僕も初めはお弁当を作ってもらっていたけど、みんな買って食べるらしく教室に誰もいなくなってしまったので早々にやめてしまった。
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