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「こんにちは。わたし神です。
あなたは死にました。えーっと、でもね?」
「俺が死んだ事………それは神による手違い」
奈落へ落ちた俺が真っ先に神に語りかけた言葉はそれだった。
「え?。なんでわかったの?」
「いや、異世界転生ってそんなものでしょう。手違いで死なせてしまったものだから、そのお詫びとして、せめて楽しく異世界でチートして俺Tueeeeしてハーレムしてっ・・・て感じじゃん?」
それを聞いた神は、俺の迅速な理解力に驚いた為か、目を大きく見開いて言う。
「あー、日本人ってほんと話が早くて助かるわー。日本の異世界ブームは伊達じゃない。転生案内の仕事も楽で助かるし、そういう意味では僕大好きなのよ日本人が。ほんとほんと、いいねえ日本人、最高だねー日本人。もう次から日本人を間違えて殺しちゃったら、異世界に転生させる説明省いていいよね?。そう思わん?、少年」
「うん良いと思う。最近は『気が付いたら私は異世界に居た』なんて展開も流行っているからね。けど、間違えて殺すとか酷くね?。いっつも転生モノのラノベ読んでて思うんだよね。だからその辺は気を付けて欲しいかな」
「うん、気を付ける」
「……まあ異世界へは行きたい人だけが行ければ良いんだよ。
例えばさ、よく日本人にはある事だ。異世界に行きたいと願う事。この俺もそう。
そんな奴が神に願った時点で入り口みたいなのをぼーん!と出せば良いと思うよ。
是非多くの日本人達に快適な異世界ライフを提供させてやってくれ。
今の日本は異世界ブームの全盛期。
現実逃避だけじゃ物足りなくなっている時代だろうしな。
………っと、話が逸れたな。
じゃあそろそろ、俺の能力を決めさせてもらおうか」
「転生特典タイム!キターッ!!!………。魔法の水晶を使って潜在能力を暴く展開じゃなくていいのね?。まーどっちでもいいよいいよ、神の私に全て任せなさい。チート、美少年、ハーレム、18禁、性転換、などなど…転生先の世界の事でも少年自身の事でも、どんな設定にでもしてやろう。
なんたってわたしは神ですから。神に不可能な事などないんだ。だから遠慮するなよ?少年」
なんでもいいのか、良い神に巡り合えたものだ。
そして早速俺は異世界転生に向けて転生特典とやらを決める事にする。
だけど色々考えるのも面倒だし、俺は神に一言だけ言って異世界に旅立った。
「んじゃあ、良い感じでお願いします」
それは俺が寝る前に美容師に言う言葉と一致していた。
……そんな事はどうでもいいが。
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