1.これっきりの顔合わせ

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「柚、これ1番に」 「はーい」 カウンターが5席に、二人がけテーブルが3つしかない、小さな小さなお店。 ここが叔父の大事なお城だ。 日中に仕事を片付けて、夜はこのお店で腕を奮い、カクテルを作る。 これが叔父の楽しみらしい。 私は奥のキッチンから出てきたオムライスを受け取ると、1番テーブルへと運ぶ。 若い男の子と綺麗な女性。うーん、どんな関係だろ。 妄想は捗るけれど決して顔には出さない。 これができるから私は叔父に雇われているのだ。 「陸くんは?いつまでいないの?」 「あー、来週の日曜かな。今最後の大詰めで、そのあと一週間本番だって」 「そっかあ」
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