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「柚、これ1番に」
「はーい」
カウンターが5席に、二人がけテーブルが3つしかない、小さな小さなお店。
ここが叔父の大事なお城だ。
日中に仕事を片付けて、夜はこのお店で腕を奮い、カクテルを作る。
これが叔父の楽しみらしい。
私は奥のキッチンから出てきたオムライスを受け取ると、1番テーブルへと運ぶ。
若い男の子と綺麗な女性。うーん、どんな関係だろ。
妄想は捗るけれど決して顔には出さない。
これができるから私は叔父に雇われているのだ。
「陸くんは?いつまでいないの?」
「あー、来週の日曜かな。今最後の大詰めで、そのあと一週間本番だって」
「そっかあ」
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