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 それからというもの、私は毎日のようにエドウィンを虐めた。  一緒にお茶を飲もうと誘ったくせにエドウィンのお茶菓子を全てぶちまけたり、暗いところが苦手だというエドウィンを暗い部屋に閉じ込めたり。  他にもエドウィンが嫌がりそうなことを見つけては実践していった。  おかげで今も尚ピンピンしてるし神にも文句は言われていない。  そして勿論そのままではバッドエンドまっしぐらなので、アフターフォローも忘れない。  お茶菓子には毒が入ってる気がした! とか曖昧すぎることを言って後日お詫びにお菓子を焼いたし、  閉じ込めたのは悪いやつから守る為! とかこれまた意味のわからないことを言い、一人にしてごめんなさいとエドウィンが泣き止むまで抱き締めた。  このように下げて上げる、下げて上げるを繰り返した。  これぞまさしく『プラマイゼロ作戦』。虐めた分好感度を上げてゼロ状態をキープする、というなんとも素晴らしい作戦だ。  まあ生き残るためには実質これしかあるまい。  そしてその作戦が見事にハマり、どんなに虐めてもエドウィンが私を恨んでいる様子はなかった。  そんなある日のことだった。  いつものようにエドウィンを虐め、満足した私は家に帰った。今日も今日とて見事な泣きっぷり、そして見事な私のアフターフォローだった。  昨日は用事があってエドウィンに会えなかったが、今のところ2日に1回虐めないくらいじゃなんともない。  明日はどうしよっかな~エドウィンには明日も来てって言われたけどちょいと怠いんだよな~。  てかよく毎日のように虐めに来る女相手に明日も来てなんて言えるよな……。  え、どうしようエドウィンがドMになっちゃったら……いやでもゲームで虐められてた恨み(+ヒロインを守るためもあるけど)で剣ぶっ刺して殺したくらいだから大丈夫か。  しかし次の日――――エドウィンに会いに行くか迷う以前に、《必然的に》行けなくなった。 「っ……」  体が、動かない。  風邪か? いや、でもこの独特な倦怠感は……  《呪い》  そう、いつぶりかに感じるこの死に迫るような感覚。  間違いない、忌々しい紙クズ野郎の呪いだ。  でも、なんで? 確かに昨日エドウィンのことは泣かせたはず。まだ1日目でこの症状は明らかにおかしい。    まさかあの神、また違う呪いをかけたのか!!? 『心外な、僕じゃないよ。むしろ―――』  と、どこぞの神が何か言おうとした時だった。トントン、と部屋に響き渡る声。  誰かがドアを叩いたのだろう。側に控えていたメイドが確認しにいく。  はあっ……それにしても辛い。間違いなくこの症状は3日目のソレだ。何かの手違いで呪いが発動してしまっている。  このまま私は死ぬのだろうか? 折角これまで頑張ってきたのに……クソ……やっぱりあの神許すまじ……
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