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「俺のは そういう低俗な言葉で表現されねえし」
ぎょっとして身体を強張らせるすみれの瞳を覗きこむ雷馬。
「お前を好きでなくても、タイプじゃなくても、こう近くにいたら、相手がお前であっても 手を出さないとはいいきれない。何故かって?
それは俺が…生物学的に
オ・ト・コ だからな」
雷馬の大きくて長い指がすみれの髪をゆっくりと撫でた。
すみれの首のうしろに雷馬の手がまわる。指先が耳たぶに触れ、やがて親指がすみれの顎のラインをそっと撫でていく。
そして、甘い声で囁かれていた。
「やるの?やらないの?すみれ。
この俺とデートする仕事」
と言われた。
ーーー秘書でもなんでもない。社長とデートする仕事?こんなのアリなんだろうか。
雷馬の指先がすみれの唇に触れ、そして止まった。
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