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人間でないように綺麗な雷馬が、今どういう理由かわからないが、すみれの隣にぴったりと寄り添うように座り直していた。
それから、すみれの長いストレートの黒い髪を長い指先ですうーーーと撫でていく。
すみれの髪を耳にかけてから、すみれの耳元で
「狼男は……嫌い?」
と雷馬が囁いてきた。
ぞぞぞーーーっつ
全身に鳥肌の立ってしまうすみれ。
雷馬は会社はもちろん、世間でも飛びぬけて女子に人気のあるイケメン社長である。
そのイケメン社長に髪を触られては、いくらすみれであっても平常心を保てる訳が無かった。
人間離れした美貌もさることながら、雷馬には、まことしやかに流れる噂があった。
それは、
『雷馬社長と親しくした者は、数奇な運命を辿る。遠からず行方知れずになるか、あるいは……壮絶な死が訪れる』
という、都市伝説みたいな噂だ。
都市伝説のようにみんなに語られてしまうほど雷馬は、世間から注目を集める人物なのだ。
人間離れした容姿は、不思議で絶対的な魅力を持ち、雷馬を直接見た誰もが一瞬で魅了されてしまう。
2人きりの場所で雷馬に見つめられたなら、普通の女子は簡単に好意を持ってしまうだろう。
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