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私はフードを取って黒髪を晒す。
「え…」とミザリーさんの息を飲む声が聞こえた。次いで麻のローブを脱いで今日着てきた服を露わにすれば、ミザリーさんが「これは…」と呟いた。
きっと馴染みのない服の素材なんだと思う。
ミザリーさんの瞳は輝き、キラキラ好奇心はとどまるところを知らないようだ。
「さ、ささささ触って良いですかああああ」
「どうぞ。多分、デニム生地が珍しい…?んだよね」
こくこくこくこく頷いてるミザリーさん。
頬が紅潮して大変興奮してらっしゃるご様子。
今日のコーデのイチオシはデニムのスカートなんである。上はストライプのシャツで、デニムスカートはハイウエストに着こなしてみた。
「こ、ここここれはデニムと言うのですか…見たことないですね…すごい伸縮性…色合いも鮮やかで…丈夫そう…」
ひあっ、匂いまで嗅ぎだしたよこの人!そして舐めたああああ
服の生地に対する情熱を感じます。さすが自分の名前でお店出すだけある。
この人の情熱は本物だ。
「良かったら脱ぎますよ。買った服に着替えていいですか?」
「まあ嬉しい!早速こちらへ…!ああマリエナ、お客様にお茶をお出ししておもてなしなさい。真心込めてね」
「はいっ!店長!」と後ろで見てた金髪ボイン店員さんが駆け出していく。
マリエナちゃんと言うんだね。
そんなに慌てなくて大丈夫ですよー私逃げませんからね。
そして店長ミザリーさんには容赦なく手首を掴まれ試着室へと引っ張られていく。真心どこいった。
容赦なくデニムスカートをひん剥かれる私。買ったスカートと合わせてみたけど、現代服とのちぐはぐがおかしかったので、結局、聖霊ボックスに入ってたサロペットと合わせた。なぜ聖霊ボックスに着替えを入れているのかというと、アザレアさんが出来る天馬だからに他ならない。
…ということにしておこう。
実際、私もよく分かってない。
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