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彼も、同じ気持ちでいてくれたらしい。
「僕が『生』を感じられるときは、君と一緒にいるときの方がやっぱり多いみたい。だから……僕と付き合ってください。」
そんなストレートな告白に、
「はい、よろしくお願いします。」
そう、ふたつ返事で承諾した、冬の出来事。
それから私は、幸せな日々を過ごした。
いつもカメラを持って出かける私たち。
他愛もない風景や、日常を撮っては、手帳にスクラップした。
人生で2度目の、『写真を撮ることが楽しくて仕方ないと思った』日々だった。
そんなある日、私は同じ気持ちを感じていた、中学校時代の写真を探し、父の使っていた写真部屋に入った。
「……あれ?」
その時、私は偶然見つけた。
父が撮った、戦場以外の風景写真を。
「綺麗……。」
それは、オレンジ色に輝くオーロラの写真だった。
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