Aurora

15/21
前へ
/21ページ
次へ
「行ってらっしゃい。満足する写真を撮っておいで。君のお父さんが、そうしたように……。」 彼は、笑顔でそう言ってくれた。 この時、私は心から思った。 この人と結婚を決めてよかったと。 母に写真を撮ることを決めた父の気持ちを、この時初めて私は感じたような気がする。 大切な人に、自分の最高の写真を届けたい。 そう思えることがいかに尊いことなのか。 こんな気持ちを感じてしまったら、もう……。 ……私は、写真を二度とやめようなんて思わないだろう。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加