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「行ってらっしゃい。満足する写真を撮っておいで。君のお父さんが、そうしたように……。」
彼は、笑顔でそう言ってくれた。
この時、私は心から思った。
この人と結婚を決めてよかったと。
母に写真を撮ることを決めた父の気持ちを、この時初めて私は感じたような気がする。
大切な人に、自分の最高の写真を届けたい。
そう思えることがいかに尊いことなのか。
こんな気持ちを感じてしまったら、もう……。
……私は、写真を二度とやめようなんて思わないだろう。
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