一枚の写真

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大きな書斎机と背の高い本棚が置かれた部屋の中をぐるりと見回す。 「さて、どこから片付けようかな…」 おじいちゃんはいわゆる本の虫で、書斎には書籍がうず高く積まれていた。 「まずは、この本の山からかな…」呟いて、積み上げられている本に手を付けた。 おじいちゃんの私物はなるべく整理をして、最低限残すようにするというのが今回の頼み事だった。 全部を処分してしまうと、おじいちゃんの存在がまるで失くなってしまうみたいで寂しいからと、そうおばあちゃんが言っていたとお母さんに伝え聞いていた。
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