「黄色い雪の物語」

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「お使いのご褒美?」 わたしは聞き返した。 窓の向こうでは黄色い雪が降っている。気のせいか寒さが和らいだ気がした。それどころか逆に暖かい気がしてきた。 「そうです、お迎えです!」 お迎え。 その言葉を聞いて、わたしは和室の向こうの仏壇を見た。母の写真が飾られている。その横にもう一枚彼女によく似た顔の写真が飾られている。康太も父も笑顔で一緒に写っている。 ああ、そうだったな、と思う。 「ね、黄色い雪の意味はあるの?」 「この雪は特別なオプションです。もう1人のお使いが、神経質なちはるさんを連れていくには真っ白より少し彩りがあった方が楽しいと言ったからです!」 「彩りねぇ。まぁ、きれいだし、見た事ないけど、神経質は関係ないよね」 「そうですね!私は真っ白が好きです!」 噛み合わない会話をしていると、聞き覚えのある鈴の音が遠くから響いてきた。  りーん、りんりん。りん。家の前で鈴の音は止まった。  そして予想した通り、家のチャイムが連続で3回、鳴らされた。
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