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店の中には、一人の若い男がいすに座っていた。
手には手袋を付けており、本を読んでいる。
店に入った一人の少女は、バッグから写真を取り出し、その男に渡した。
その写真には、その少女と思われる子と、両親と思われる大人が写っている。
「おもひで館ってここですよね! 思い出をもう一度見せてくれるって聞いてきました」
「そうですよ。ひとつの思い出で五千円かかりますが、いかがされますか?」
「いくらでも払います!」
そう言った少女は、バッグから今度はお金を取り出してみせる。
取り出したお金は、少女が持っているとは思えない量のお金だった。
「私の名前は楪未羽! 最近死んでしまった両親との思い出を見させてください!」
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