両親とのおもひで

4/10
前へ
/14ページ
次へ
「わかりましたけど、どうして座る必要が?」 「思い出を見ている間は、身体は眠ったようになっているんです。もし何にも座らなかった場合、起きた時にけがをしている可能性がありますので」 「そういうことですか」 納得したような表情を見せた未羽。 ソファーに座り、再度青年に問いかける。 「次は、どうしますか?」 問いかけにすぐ応じるかと思いきや、青年は未羽の隣に座った。 未羽は一瞬構えの体制を取るが、ただの準備だと気づいてすぐに体制を戻す。 その一連の動作に気が付いた青年は少し微笑んで、大丈夫ですよと言い、手を差し出した。 「では、僕の手を握ってください。僕を通して、思い出を見せます」 未羽は頷き青年の手を握る。 準備が整ったという顔をした青年は、写真をもう片方の手に取り、行きますよ、と声をかけた。 「よろしくお願いします!」
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加