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「わかりましたけど、どうして座る必要が?」
「思い出を見ている間は、身体は眠ったようになっているんです。もし何にも座らなかった場合、起きた時にけがをしている可能性がありますので」
「そういうことですか」
納得したような表情を見せた未羽。
ソファーに座り、再度青年に問いかける。
「次は、どうしますか?」
問いかけにすぐ応じるかと思いきや、青年は未羽の隣に座った。
未羽は一瞬構えの体制を取るが、ただの準備だと気づいてすぐに体制を戻す。
その一連の動作に気が付いた青年は少し微笑んで、大丈夫ですよと言い、手を差し出した。
「では、僕の手を握ってください。僕を通して、思い出を見せます」
未羽は頷き青年の手を握る。
準備が整ったという顔をした青年は、写真をもう片方の手に取り、行きますよ、と声をかけた。
「よろしくお願いします!」
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