テーブルの置き手紙

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テーブルの置き手紙

 僕は会社から自宅マンションへ帰る途中で、フラワーショップにて花束を買うことにした。その花束を買ったのは、同居している彼女に手渡すためである。僕にとって、彼女は一途に愛すべき存在であり、なおかつ最高のパートナーであると考えている。 「よし! 今夜こそ絶対に告白するぞ」  僕は、彼女が待っている自宅マンションのドアを開けようとした。しかし、ドアにカギが掛かって開けることができない。 「もしかしたら、買い物に出かけているかも」  そう考えた僕は、カギを差し込んでドアを開けるとすぐに部屋の電気をつけた。そして、彼女が戻るまで待つことにした。  ソファに座ると、テーブルの上に置き手紙らしきものを見つけた。手紙の書面を見ると、そこには僕にとって愕然とする内容が書かれていた。  その内容は、別の男性と結婚する旨とともに、これまで二股を掛けていたことを言わなかったことへの謝罪が綴られている。もちろん、これまで付き合ってくれた僕への感謝の気持ちも記されている。 「な、なぜこんな置き手紙を残して……」  その手紙を読んだ途端、僕はがっくりと肩を落とした。なぜなら、君のいない街なんて考えられないからである。  こうして、一途に愛した彼女との恋愛は幕を閉じることになった。 (※)当作品は2018年10月6日に『深夜のN分小説執筆』へ参加するためにtwitter上で発表したものです。  お題:置き手紙、君のいない街、花束
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