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ブラインドランナー
俺はマラソンランナーではない。けれども、他の者と同じようにシーサイド沿いの道路を走り続けている。
隣で並走しているのは、俺にとっての大切な相棒である。なぜなら、俺はその相棒の眼の代わりなのだから。
相棒であるその男は、両目とも全く見えない。観衆からの歓声が耳に入ってくるのは分かるけど、周りがどんな風景なのかは真っ暗闇で分からない。
でも、マラソンランナーとして1秒でも早く走りたいという向上心を他の選手以上に持っている。だからこそ、俺は隣にいる相棒をパラリンピックの舞台に立たせてあげたいと考えている。
ブラインドランナー、それは相棒を大舞台へ導くための重責を担う俺の肩書である。
(※)当作品は、2020年2月2日にtwitter上で発表したものに一部加筆を加えたものです。
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